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校長のおはなし
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 「因果応報」という言葉があります。「因」とは原因のこと、それに「縁」と呼ばれる様々な条件が作用して、「果」、すなわち結果が生じます。よくない結果が生じたときに「因果応報だから」と言って、悪い意味で使われることの方が多いようですが、本来は、「善因善果」──善い原因が善い結果を生み、「悪因悪果」──悪い原因が悪い結果を生むという両方の意味が含まれています。

 ちょうど1年前に亡くなられた、稲盛和夫さんという実業家の名前を聞いたことのある人も多いと思います。京セラやKDDIを創業したり、経営破綻したJALを再生させたりしたことで知られていますが、臨済宗で得度をされて、僧侶という一面もお持ちの方でした。その稲盛さんが、こういう言葉を残されています。
「善き思いを抱き、善きことを実行すれば人生はよい方向に変わっていく。悪い思いを抱き、悪いことを実行すれば人生は悪い方向に変わっていく。もともと持っていた運命がどうであれ、それは変わっていくものであり、運命は決して宿命ではないのだ」
  善き思いを抱く。「何が何でもこうありたい」と強く抱く。それが人生をよい方向へと変えていく「因」の大本となります。そして、その思いに基づいて善きことを実行していくことで、心が磨かれて、一人ひとりが内にもつかけがえのない価値が光を放ちます。

 そのために大切になってくるのは、善き思いを持続させるということです。ところが、はじめは強く思いを抱いていても、いつの間にか薄らいでしまうことがあります。だから、折りに触れて善き思いを抱き直すことが必要になります。

 昨日で夏期休暇が終わって、今日から2学期が始まります。一年の間には、年や年度が改まったり、学期が変わったり、時の流れが用意してくれた、いくつもの「節目」があります。それは、善き思いを抱き直す絶好のチャンスです。
  竹がしなやかで強いのは、節があるからです。竹の節は硬くて強く、ノコギリで切るのも容易ではありません。しかも、節それぞれに成長点があって、だから竹の成長は速いのだと言います。人も同じです。節目あっての「やる気」、節目あっての「再起」、節目あっての「成長」です。

 2学期の始まりという節目は、誰にでも同じようにやってきています。その折角の節目をものにできるかどうか、それは自分次第です。「あ〜あ」ではなく、「よーし!」という気持ちで、善き思いを抱き直す。この2学期の始まりを強い強い節目としてほしいと思います。

 最後になりますが、今月は17日、18日に獅子児祭が開催されます。獅子児祭は、君たちがそれぞれに追究した“Think”を表現し、それを多くの方々に“Share”していただく大切な場です。当日はそのために、多くのお客様がわざわざ来場してくださいます。そのお陰で、君たちも充実感や達成感をより大きなものにすることができます。君たちが放つ光を十二分に堪能していただけるように、一人ひとりが主人公として、善き思いを抱いて、善き準備を進め、そして善き運営をしてほしいと思っています。

(2学期「始業式」式辞より)


 


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