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令和5年11月

ただ今、創立122周年を記念する祝祷法要を営みました。

徳川家康が国替えによって駿府から江戸に入った2年後の文禄元年、1592年に、当時、江戸の神田台にあった曹洞宗吉祥寺の山内に、後に「旃檀林(せんだんりん)」と呼ばれるようになった学寮が誕生しました。それが本学園の前身です。
明治に入り、旃檀林は年長者が学ぶ曹洞宗専門学本校と年少者が学ぶ専門学支校に分かれ、前者は駒澤大学、後者が世田谷学園へとつながっていくことになります。学園では、専門学支校がいくつかの変遷を経て、私立学校令に準拠した「曹洞宗第一中学林」となった明治35年、1902年を創立の年としています。吉祥寺は、江戸時代の明暦の大火によって駒込に移転しています。曹洞宗第一中学林がその駒込の吉祥寺を離れ、この世田谷・三宿の地に移転してきたのは大正2年、1913年のことで、11月12日に移転開林式が行われています。その11年後に校名を「世田谷中学」と改称したときに、この11月12日が創立記念日として定められました。
そして昭和に入ると、戦後の学制改革にともない、新制の「世田谷中学校高等学校」となり、さらに昭和58年、1983年、私学であることをより明確にするために、「世田谷学園中学校高等学校」と校名変更して現在に至っています。

さて、君たちが学ぶ今の学園には、修道館(しゅうどうかん)、放光館(ほうこうかん)、発心館(ほっしんかん)、観性館(かんしょうかん)という校舎があります。今年3月に発行された『学友』229号でも触れていますが、改めて、それぞれの校舎につけられた名称の意味について話をしておきたいと思います。

最も歴史が長いのは、君たちが今いるこの「修道館」です。創立80周年を記念して竣工した総合体育館で、アリーナや武道場、卓球場の他、地下には温水プールを備えています。しかし、はじめて「修道館」と命名されたのは、この世田谷の地に移転してきたときに建てられた雨天体操場です。その名が代々の体育館に継承されていて、現在のこの修道館で3代目となります。「修道」とは、文字通り、ひたすらに道を修めるということです。

次に、学園の科学館とも言うべき「放光館」です。創立85周年を記念して竣工しました。この名称は、当時、地球に近づいていたハレー彗星の放つ光りが話題になっていたこと、大本山總持寺に放光菩薩をおまつりする放光堂があることに因んでいます。「放光」とは、仏様がその身から光明を放って人々を救うことであり、科学技術の時代に、生徒諸君が人間の智慧を限りなく光らせる、そういう願いが込められています。

修道館と放光館は、現在の耐震基準も充分に満たしており、2014年にリニューアル工事を済ませています。そのときに、このアリーナや武道場も冷暖房完備となりました。

そして、君たちの教室がある「発心館」と「観性館」です。創立90周年のときに、これを記念して竣工した中学校舎が「発心館」、当時、校地の北側にあった高校校舎が「観性館」と命名されました。その名称が、創立100周年を記念して、それまでの発心館と一体化させる形で竣工した現在の校舎にも引き継がれています。
「発心館」の「発心」は、「発菩提心(ほつぼだいしん)」とも言って、道を求める心、明日を真摯にみつめる心をおこ発こすことであり、「観性館」の「観性」は、仏性(ぶっしょう)、すなわち自らの内に持つ尊厳性と可能性というかけがえのない価値を観る、ということです。

「発心」── 明日をみつめる心を発し、「修道」── 今をひたすらに道を修め、それによって「観性」── 自らの仏性、尊厳性・可能性というかけがえのない価値を観る。そして、違いを認め合い、思いやりの心を持って「放光」── 智慧の光を限りなく放ち、世の中を明るく照らす。4つの校舎の名称に込められた意味をつなげたときにできる、この旃檀林の獅子児が成長していく道程を、君たちにもしっかり歩んでほしいと願っています。

最後になりますが、現在、令和8年、2026年に迎える125周年に向けて、来年の3月までの予定で、校庭の人工芝化が進められています。来年の7月からは、新たに取得した校地に発心館と接続する形で新校舎を建設する工事も始まる予定です。技術室、美術室、ICTラボ、グローバル・ルームなどが入って、君たちの知性をクリエイティブな知性へと高めることに大きく寄与する建物となります。ぜひ、この新校舎にもふさわしい名称をつけたいと思っています。


(「創立記念式典」式辞より)
 


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